第15回は,金沢大学の岡田努先生にインタビューさせていただきました。心理学や研究に興味を持ったきっかけや,今後の展望などを中心にお尋ねしました。 |
―――先生が心理学に興味を持ったきっかけをお聞かせください。
高校時代にカウンセリング関係の入門書を読んで,それに惹かれて心理学に進んだという「ありがち」なパターンです。
そしてお約束通り,大学に入学してから,カウンセリングとはかけ離れた統計と実験の「洗礼」をうけました。
―――研究者を志したきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
朝まじめに起きて満員電車に揺られて勤めに出かける生活がしたくなかったからです(というのは冗談で)。
大学院生ころまでは,臨床家になりたかったのです。それで大学院に進学したのですが,ただ,一方で,卒論を出したころから,調査データから現象を読み解いていく研究のおもしろさにも徐々に惹かれていきいつのまにか,そちらが中心になっていたといったところです。
―――岡田先生といえば自己と友人関係のご研究が有名です。このテーマに取り組まれるようになったきっかけをお聞かせください。
有名なんでしょうかね(笑)。はっきりしたきっかけというのはよく思い出せません。
卒論では,臨床ケースという訳にもいきませんから,関連して出来るテーマということでアイデンティティ関係の調査をしました。
そこから自己についての関心が向いていったのでしょう。
あとは博士のころから「現代青年の特徴」に関心が向き,特徴といっても広いのでとりあえず,友人関係から見てみよう,といって手をつけたのが,そのまま今に至っているというところでしょうか。
―――現在の日本の心理学を取り巻く状況について,どのようにお考えでしょうか。
むずかしいご質問ですね。
いっときの「心理学ブーム」もそろそろ下火になりだし,これからが真価を問われる時かもしれません。
―――先生が今後取り組んでみたいとお考えの研究テーマはなにかございますか。
最近,何度か若者支援の現場に関わっている方と一緒にワークショップなどを行う機会がありました。
そういう現実の問題に何か還元できるような研究ができたらいいな,とは考えています。
一方で,有無を言わさぬ寸分の隙もないデータで今の若者を描くことができたら,それもいいですね。夢ですが。
―――最後に,若手の研究者に向けて,なにかアドバイスを頂けないでしょうか。
まだまだ院生のころから,進歩してないという思いなので,とてもアドバイスなどできません。
敢えて言うなら,「少年老い易く学成り難し」。これは実感です。
―――インタビューの内容は、メールに対してご返答いただきました。岡田先生,お忙しい中,インタビューに応じていただき,ありがとうございました。
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