演劇におけるHow to個性記述
〜パーソナリティの記述のもうひとつのかたちを求めて〜


2007年度 公開講習会

 

この企画は終了しました

内容

企画趣旨

 演劇の舞台において、舞台上にはさまざまなペルソナが現れる。脚本に書かれている言葉は、舞台になると様々なパーソナリティとなってたち現れる。演出家は、脚本からどのように個性を思い描き、現実に様々な個性を持った俳優たちにペルソナを与え、そしてそれらを互いに人として交わらせるのであろうか? 従来から、多様なパーソナリティの理解は、パーソナリティ心理学の目的のひとつであるといわれていた。しかし、実際のパーソナリティ研究は、具体的な個人を記述することよりも、パーソナリティを構造として捉え、その構造を理解することを目指してきた。これは、具体的な人間の個性を表現してきた芸術や文学の方法とは異なるものであろう。パーソナリティ研究もその方法で、臨床実践をはじめ、社会に貢献してきたのに対し、芸術や文学も、人のパーソナリティの理解を深めるための大きな資源となっていた。
 従来、このような二つの方法論は、普遍性・一般化可能性などの概念によって、慎重に差別化され、すみ分けられてきたが、近年では転用可能性などの概念整理によって、二つのパーソナリティ理解の方法の壁はその意味を変えつつある。そこで、本企画では、演劇の分野でさまざまな個性と向かい合ってきた実践者と、構造を探求してきた研究者の対話を通して、どのように個性と出会い、記述するのか、個性記述の可能性を改めて問う。

登壇者

講演者
宮沢章夫(劇作家・演出家・作家)

パネラー
山登敬之(精神科医:東京えびすさまクリニック)
後安美紀(生態心理学者:科学技術振興機構さきがけ・ATR認知情報科学研究所)
川野健治(パーソナリティ心理学者:国立精神・神経センター精神保健研究所

司会
今尾真弓(名古屋大学 医学部)
荒川歩(名古屋大学 大学院法学研究科)

登壇者の紹介

 宮沢章夫氏は,遊園地再生事業団(http://u-ench.com/)を主催されており,劇作家・演出家としてだけではなく,『考える水,その他の石』(白水社),『東京大学『80年代地下文化論』講義』(白夜書房)などのたくさんの著作も書かれている作家である。
 山登敬之氏は,劇団「東京乾電池」で活躍された経験を持ち,現在は,精神科医として活動されている。『子どもの精神科』(筑摩書房)などの著作のほか,最新作に『芝居半分、病気半分』(紀伊國屋書店)がある。
 後安美紀氏は,おもに劇団,青年団をフィールドに研究をされてきた生態心理学者であり,「演劇と同時多発会話」(『アート/表現する身体 アフォーダンスの現場』東京大学出版会)などの著作がある。
 川野健治氏は,心理学の立場から行為を研究されており,『間主観性の人間科学』(言叢社),『身体から発達を問う』(新曜社)などの著作がある。また日本パーソナリティ心理学会の理事でもある。

詳細

日時

 2007年10月14日(日) 14:00〜17:00 

場所

 東洋大学白山キャンパス6号館6101教室

参加費

 日本パーソナリティ心理学会会員 500円
非会員 1000円(但、遊園地再生事業団「ニュータウン入口」(本公演)の半券を持った方 500円)

主催

 日本パーソナリティ心理学会 経常的研究交流委員会


 
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