2001年度公開講習会報告

日本性格心理学会経常的研究交流委員会主催
「仮説検証のための共分散構造分析
 ――AMOS活用の実際」


片岡大輔(日本能率協会マネジメントセンター)

 標記講習会が、2002年2月17日(日)に東洋大学を会場として開催された。当日の参加者数は39名であった。企画の意図は、性格心理学会員が自分のデータを使って自分のいいたいことを的確にモデルに表わし、それを証明することができるようになるよう、研究・業務の一助となることにあった。
 講師の田部井明美先生は、東京ガス株式会社都市生活研究所にて日常の業務としてAMOSを用いた共分散構造分析を活用し、かつ前歴のエス・ピー・エス・エス社にてインストラクターの経験があり、実務と指導の両面に長けている方であった。
 講習会は、1人1台のPCを用い、@探索的因子分析と確証的因子分析 A重回帰モデル B多重指標モデル C多母集団の同時分析 の順で、実際の性格心理学の研究データを用いて行われた。各分析方法の数学的な説明は最少にして、目的に応じた分析方法は何で、それを実現するためには、どのようにソフトを使えばよいのか、実際に手を動かして体験することに重みを置いていたものであった。エネルギッシュな講義と、ソフトの操作の実習とで、所定の時間を超過しての講習会となってしまったが、途中で席を立たれる方はいらっしゃらなかった。
 研修の評価について、参加申し込みにメールアドレスを記入された方にeメールにて、感想・意見をお寄せるいただいているところであるが、当日の参加者の声を聞いた限りでは、わかりやすい説明で好評であったようだ。講習会企画から実施までの手順、プログラムの構成、ソフト・機器の準備等、かならずしもスムースでない事項もあり、今後の検討課題としたい。
 なお、会場等の事由で定員を40人としたところ、大きく上回る80人の応募があり、急遽合計53人に参加証を発送したが、会員の参加を優先したため非会員応募者の6割の方にはご参加いただけない結果となった。ご連絡なく不参加の会員が10人あり、定員の設定・会費の徴収方法等も今後検討する必要があると委員会では考えた。
 講習会・講演の要望や本委員会の活動全体についてご意見・ご要望がありましたら、委員長までご遠慮なくお寄せいただけたら幸いです。
 最後に、講師をされた田部井明美先生、ソフト準備等ご尽力いただいた協賛のエス・ピー・エス・エス株式会社、1人1台PC使用の環境をご提供いただいた東洋大学に深くお礼申し上げます。


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