日本性格心理学会第8回大会開催にあたって




 第8回大会は、育英短期大学が主催校となり準備を進めてまいりました。
世の中、世紀末にあるためでしょうか、ノスタラダムスの大予言を初めとし、コンピューターの2000年問題など、少しぎすぎすした慌ただしさが漂っているようです。

 そこで、本大会は、人と人とがゆっくり触れ合える、温もりのある大会にできたらと願って構成を考えてみました。大人数よりも少人数で、ガチガチのきちんとした企画よりも皆様のご意見にすぐに対応できるゆとりあるものを、そう目指して企画してみました。もちろんのこと少スタッフでの運営です。皆様に満足の行くことは何もできないかもしれません。しかし、田舎なればこその「土臭さ」や「手作り」の良さを少しでも感じていただければと願っております。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 最近、不登校の生徒・児童の数が、戦後最大であると報じられ話題になっています。その理由が「何となく…」とのこと。また、校内暴力もぐっと増加したと言います。何がどうなっているのでしょうか。「個性尊重」・「平等」・「話し合い」という観点の徹底化で、生き易くなったきたことはもとより、少子化傾向も手伝って、かつてのような受験に泣く生徒も減ってきているはずです。また、親達も皆、今や高学歴化です。家庭での子育て環境もかつてないほどに高まってきているはずでしょう。さらには、先生方の研修も微に入り細に入りなされています。しかし、それにもかかわらず、青少年による犯罪さえ、増加傾向にあると言います。小学校における学級崩壊の報道も世間をあっと驚かせたものです。改めて「心の教育」が叫ばれるまでになっています。ここに世間のこの性格心理学会に寄せる期待の要因の一つがあります。

 そこで、本大会では、これらにも応えるべく、広く一般に、「特別講演」、「シンポジウム」を公開で開催することにいたました。心理学専攻者だけでなく、さまざまな立場からこれらの問題に対し意見交換してみることは大いに意味があろうからです。

 本学会の会長である大村政男先生からは、会長講演ということで「子どもの教育と血液型性格診断」と題して、教育問題と性格診断の観点から今日的課題を語っていただけることになっております。また、シンポジウムは、2つを用意し、一つは、「子どもの発達や性格をどうとらえるか」で、藤永 保先生、尾身康博先生、山崎晴美先生に、もう一つは「主体性としつけとの統合」の問題を取り挙げます。どれも現在の教育問題の解決に向けてのヒントであり、提言となろうかと思っております。

 触れ合い、温もりが、本大会のテーマです。普通なら同時平行で多くをこなしていくものですが、今回は全てを一つだけという時間設定にさせていただきました。一同に介する本大会が、従来にも増した活発な研究討議の場となり、次に繋がる有意義なものとなりますよう心からお祈りいたします。どうぞよろしくご配慮の程、お願い申し上げます。

 最後に、本大会の開催にあたり、ご協力・ご支援いただきました関係各位に心から感謝申し上げます。

日本性格心理学会第8回大会準備委員会
委員長  育英短期大学   手島茂樹


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