インタビュー企画3:荘島幸子(後半)


■“パー心”との思い出

―――話は少し変わって,日本パーソナリティ心理学会に関する思い出とかってありますか? 

 実は,私の学会発表デビューは,“パー心”(日本パーソナリティ心理学会)なんですよ。あ,その当時は,日本性格心理学会でしたけど。2004年に同志社大学で開催された第12回大会でしたね。ポスター発表だったのに,えらく緊張したのを覚えています。前日,眠れなかった・・・。でも,学会で発表することや他の研究者の方たちと話したり,それからいろんな先生たちと飲み会で気さくに話をすることの楽しさを覚えたのも“パー心”です。名刺を初めて作ったのも“パー心”です(笑)

―――ということは,ある意味,“パー心”が研究者としての出発地点だったわけですね。

 そういうことになるでしょうね。自分で歩んできたというよりも,導かれてきたというほうが強いなぁ。。。


―――この学会と他の心理学会で違いを感じるところ,“パー心”に特徴的だなぁと思うところはありますか?

 若手にやさしいところですね!それから,小さな学会のメリットだと思いますが,ベテランの先生との距離が近く,研究の話でもそうでなくても,いい意味で砕けた話ができるところです。一度身分不相応にも関わらずシンポジウムで発表させてもらったことがあるんですが,私の緊張した様子と未熟な発表に苦笑しながらも,あとからコメントをくださった先生もいらして,とても嬉しかったです。

■ 研究の魅力 

―――研究者人生,楽しいこともあれば,しんどいこともあると思いますが,全部ひっくるめて,荘島さんにとって研究の魅力って何ですか? 

 私って,研究者なんでしょうか?(汗) でも,そうみられているから,そうなのかな。そうですね,今やっていることで楽しいのは,相手も変わっていくし,自分も変わっていくことを肌で感じられることかな。相手の深いところまで入っていくような語り合いをしているので,特にそう感じるのかもしれないです。まさに,身体と身体で対峙するってところがあるし。でも,分かり合う!っていうところまではいかない。そこがもどかしいけど,そこがいいかな。
 私,今,性同一性障害の自助グループのスタッフをしているんですが,そこで当事者の1人に「荘島さんは,当事者慣れしてないからなぁ」って否定的に言われたことがあるんです。でも,私はずっと当事者慣れしないでいきたい。それは,相手を客観的にみていたいからとかではなくって,いつも相手との関係のなかで,新しい何かを発見したいから。
 そういうところが,魅力かなぁ。自分の身1つで突き進んでるだぞーって日々思いますね。

―――なるほど。それは荘島さん自身の魅力にもなっていると思いますよ。

■ 最後に一言 

―――では,最後に一言。これからやりたいこと,読者の皆様に伝えたいこと,何でもいいので,最後に何か一言お願いします。

 読者の皆様に伝えたいこと・・・。どうか,これからもご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします! 身1つで,現場から満身創痍(言いすぎかしら)になって戻ってきたら,仲間同士でオツカレさんをして,それからいい研究ができるようにみんなでビシバシやり合えるような仲間,たくさん募集中です。

―――荘島さん,長々とありがとうございました。

interview03.jpg(72870 byte)

<プロフィール>
荘島幸子(しょうじま さちこ)
京都大学大学院教育学研究科発達教育研究室)博士課程に在学中。
日本学術振興会特別研究員。

 

 
Homeへ戻る 前のページへ戻る
Copyright 日本パーソナリティ心理学会