平成8年12月19日
心理学諸学会(含む協会)代表者 殿
日本性格心理学会常任理事会
理事長 詫摩武俊(東京国際大学)
財団法人日本臨床心理士資格認定協会の大学院指定問題に関する
12月27日の協議会へ向けての日本性格心理学会の基本的立場と提案
日本臨床心理士資格認定機会の大学院指定に関する提案を受けた心理学関係諸
学会の最近の動きと現在の事態は、このまま行けば心理学界が二分されることに
も成りかねない深刻な状況と考える。この様な現在の状況を打開し、心理学界全
体の発展を願って、日本性格心理学会は常任理事会の決定に基づいて、以下の提
案をする次第である。
記
1)日本性格心理学会は心理学全体の健全な発展を願い、心理学が社会的に認知
されることに賛成し、そのために大いに努力したい。
2)その意味では、今回の日本臨床心理士資格認定協会(以下認定協会)の大学
院指定の前提となっている臨床心理士の資格そのものについては評価を惜し
まない。しかも、現実に心理学の職域を広げ、確立しつつある点については
心理学関係学会として敬意を表するものである。
3)しかし、平成8年4月1日より施行された、認定協会の「臨床心理士」受験
資格に関する大学院研究料専攻課程(修士)の指定運用内規の内容は、大学
の固有の権限に対して、行き過ぎと考えられる面がある。同時に、将来的に
新方式の第1種、第2種のみに受験資格を限定したことは多様な資格取得の
道を閉ざし、説明不足も相まって、臨床心理学の研究と実践を目指す学生に
不安や動揺を招来していることは憂慮すべきことと考える。
4)従って、臨床心理士の資格取得をめざす学生に対して、新方式の第1種、第
2種以外に、第3の恒久的な、資格取得の道を開く処置を早急に、追加する
よう認定協会に要請する。
以上