日本性格心理学会第12回大会を振り返って

大会委員長 橋本 宰(同志社大学文学部)


 新しく日本パーソナリティ心理学会として出立する記念すべき節目として、最後の日本性格心理学会第12回大会を同志社大学今出川キャンパスで開催できたことは、我々スタッフ一同喜びに堪えない次第です。学会当日の9月24日、25日は、折悪しく2日間とも雨模様の天気となり、思わず天を仰いで嘆息しましたが、幸いにもご参加いただいた135名の皆様のお力添えを得て、活気ある大会になりましたことを心より感謝申し上げます。

 開催時期の選定にあたっては、いろんな面から検討しましたが、たまたま例年に無く他の心理学関連の大きな学会が直近の一ヶ月の間に続けて開催された後だけに、本大会への参加が会員の皆様に少なからずご負担になるのではないかと危惧の念を禁じ得ませんでした。しかしながら、いざ蓋を開けてみると、発表件数53、シンポジウム3、ワークショップ1、それに本学会と日本発達心理学会の交流委員会レベルによる初の共同企画(臨床発達心理士研修会)を兼ねた小講演、本学による特別公開講演など、質量ともに充実した内容となりました。

 個々の内容については割愛しますが、ご参加いただいた皆様にとって十分な成果があったことと信じております。総会では、例年の審議事項以外に、懸案となっていた日本パーソナリティ心理学会への学会名変更、会則改正、新役員の選出、投稿論文の不正行為に関する経過報告などが副理事長の青柳先生から報告され、熱心な質疑応答の末、全ての議案が満場一致で承認されました。その日の夜、ブライトンホテルで開かれた懇親会には、予約数を大幅に上回る60名近くの参加者があり、急遽ホテル側に追加を頼むなど大いに盛り上がりました。内山事務局長の司会のもと、松山理事長の挨拶、大村先生の乾杯音頭で始まった会は熱気あふれる交流の輪が会場全体に満ち、最後は新理事長に選出された杉山先生の心強い決意表明をもって閉会となりました。

 大会2日目の、サトウタツヤ先生企画のシンポジウム「心理学から見た『心のノート』;『心のノート』からみた心理学」において重要な問題提起をされたシンポジストの先生方にフロアーからも活発な意見が続出し、小生自身にとっても現実に小中学校の教育の現場で行われている実態について教えられることが多く、まことに有意義な企画であったと思います。なお、このシンポジウムの内容は、後日地元の10月24日付京都新聞でもかなり詳しく取り上げられたことを付記しておきます。

 まとまりのない大会報告記となりましたが、内山事務局長の緻密な準備のもと、骨身を惜しまず奮闘してくれた若き院生、学部生諸君の努力を何よりも有難く感じ入った次第です。この貴重な経験を財産として、彼らがこれから本学会で大きく羽ばたいてくれることを願ってやみません。

 次回からは日本パーソナリティ心理学会として新たに発足する本学会が益々発展することを祈念し、以上をもって筆を措くことにします。


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