【報告】
「日本パーソナリティ心理学会名称変更記念公開講演会およびシンポジウム」に参加して
村井潤一郎(文京学院大学)

 去る4月17日(土)、「パーソナリティの地平―自我と社会をつなぐもの」と題しまして、「日本パーソナリティ心理学会名称変更記念公開講演会およびシンポジウム」が行われました。100名ほどの参加をいただき、盛況でした。
まず第1部では、東洋大学の船津衛先生より、「社会的自我論の展開」というテーマでご講演いただきました。ミード研究の第一人者でいらっしゃる船津先生のお話は、心理屋にとっては、ともするとなかなか接する機会のない内容だと思うので、有意義だったと思います。船津先生の優しい語り口調も印象に残っております。引き続き第2部として、シンポジウムが行われました。テーマは「パーソナリティのダイナミズム―文化・社会・状況」、話題提供者の先生方は、星野命先生、木下冨雄先生、宮本美沙子先生、でした。内容は、各先生の思いが前面に出た、個性のはっきりとしたものであり、内容が示唆的であることは言うに及ばず、これまでのご自身の研究に対する熱い姿勢を感じ取ることのできるものだったと思います。
講演会・シンポジウム後にフロアの方々に提出いただきましたアンケートをみますと、満足度の平均値は4.19(5が「とても満足」〜1が「とても不満」)でしたし、自由記述をみましても、その多くが「面白かった」「興味深かった」という肯定的なものでしたので、今回の講演会・シンポジウムは成功だったと思います。
もちろん反省点がないわけではありません。教室の広さから考えると、参加者約100名はやや少なかったかな、とか、2003年10月に名称を変更しその約半年後の開催は時期的にやや遅かったかな、などあるでしょう。さらに、欲を言い出せばきりがないものでして、登壇された先生方どうしの討論の時間があったらさぞかし面白かっただろう、とか、フロアとのやりとりの時間にもう少し余裕があったら、とかあります。それはまたの機会ということで……。
最後に、周知の通り「日本性格心理学会」は2003年10月に「日本パーソナリティ心理学会」へと名称を変更しました。これは人間の性格を、従来より広い視点の中から捉え直そうという動きを反映したものです。学会の名称を変更し、名実ともに本学会が発展していくための一番の原動力は、会員の研究に対する熱い思いだと思います。今回の講演会・シンポジウムでは、4人の先生方にその原動力の「お手本」を呈示していただいたのだと思います。皆さん、どんどん研究しましょう。本学会のさらなる発展を祈念してやみません。


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