■企画趣旨
一連の少年によるナイフ殺傷事件以来、「キレる子ども」というマスコミ用語が定着しました。その背景には、子どもたちが「基本的に変わってしまった」という人々の思いがあり、その思いが事件の衝撃を強め、また、事件がその思いを強めたのでしょう。豊かな時代・豊かな社会の子どもたちは、親や教師たちにとっても、きわめて理解しにくい存在になりつつあるようです。それは、彼らが今までの伝統的な考え方では捉えることが難しい存在となってきたからではないでしょうか。
そこで、シンポジウムでは、「キレる」をキーワードに、時代の子である彼らを精神医学・学校臨床・心理学のそれぞれの立場から、できるだけ明確に理解することを試みたいと思います。シンポジストの先生方には、それぞれのご専門の立場からお話をいただき、またフロアーとの対話を通じて、理解を深めていきたいと思います。そのなかで、彼らを理解する新たな視点の提示ができればと思います。
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