理事長挨拶

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日本パーソナリティ心理学会 理事長
尾見 康博

尾見 康博
日本パーソナリティ心理学会理事長の尾見康博です。本学会は,1992年に設立された日本性格心理学会を前身とする「パーソナリティ」の総合的な科学を構築するための学際的な研究交流を行う学術団体です。

伝統的にパーソナリティ心理学は,遺伝か環境か,法則定立か個性記述か,といった心理学の理論的あるいは方法論的中核となる問いのメインアリーナでもあります。また,心理学内外の隣接分野との関連性が深く,近年ではパーソナリティ心理学の知見が社会に求められることもずいぶん多くなってきたように思います。本学会は,設立当初からこれらの問いや課題に積極的に取り組んできました。

本学会は,日本の心理学関連の諸学会のなかでも新しいことに率先して取り組んできた歴史もあります。論文査読の電子化や「追試研究」「事前登録研究」「事前登録追試研究」の募集といった学術誌関連のものから,ヤングサイコロジストプログラムといった本学会を超えた若手研究者の交流の場の設定にいたるまで,他学会に先駆けて取り組んできた事業が数多くあります。

2024年からは国際交流の一環として,欧州パーソナリティ心理学会(European Association of Personality Psychology)主催サマープログラム(隔年開催)への大学院生派遣事業もスタートします。また,本学会初代理事長の故詫摩武俊先生のご遺族からのご寄附を基金化するとともに,2024年から学会賞の名称を「詫摩武俊賞(優秀論文賞)」に変更いたします。

管理運営基盤の安定に向けた取り組みも進めており,前理事長の松田英子先生のもとで,公益社団法人日本心理学会が主導するJPASSへの事務局移転という大事業が完了しました。

本学会が産声を上げてから30年以上がたちますが,学会設立時の精神を大切にしつつ,若い会員のみなさんが自由に楽しく研究ができるよう,これからも若々しく活気のある学会であり続けるよう取り組んでまいります。

2024年4月