理事長挨拶

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松田英子

包摂的なパーソナリティ心理学を目指して

松田英子

このたび日本パーソナリティ心理学会の理事長に就任いたしました東洋大学の松田です。会員の皆様にご挨拶申し上げます。日本パーソナリティ心理学会(Japan Society of Personality Psychology)は、1992年に設立された日本性格心理学会を前身とする「パーソナリティ」の総合的な科学を構築するための学際的な研究交流を行う学術団体です。パーソナリティ心理学は、心理アセスメント、発達的変化、社会的態度、文化、臨床的問題等、幅広い研究テーマを扱い、わたしたちの独自性と個別性を説明しようとするユニークな学問です。現在の日本パーソナリティ心理学会は、パーソナリティ心理学のみならず、社会心理学、発達心理学、教育心理学、臨床心理学、心理測定学、行動遺伝学など、さまざまな学問的背景を持つ会員が、パーソナリティの総合科学を目指して、活発な研究活動を行っています。

また本学会は、既存の枠組みにとらわれない自由な研究の発表と交流の場を歴史的な伝統として大切にしてきました。年に3号発行される機関誌(邦文/英文)や毎年の学術大会や各種セミナーにて研究成果を発信すると同時に、学会賞や優秀大会発表賞を設け、より学会が活性化するように前進してまいりました。パーソナリティに関わる課題であれば、どのような研究テーマであっても本学会なら発表できると会員の方に考えていただけるような包摂的な雰囲気を持つ学会を目指してまいります。最新の尺度研究や多様な研究手法を心理学界に提供するのみならず、今後は現代の社会的課題を解決するようなパーソナリティ心理学を目指して、会員の皆様とともに学会活動を行ってまいりたいと思います。

渡邊芳之前理事長が確立してきた学会の運営基盤、具体的には学会誌の発信力の強化、学会事務の省力化、学会の財務の透明化、関連学会との協力体制を持続させ、更なるパーソナリティ心理学の発展と普及に関わる研究活動や教育活動の交流と発信の場としての学会づくりに,常任理事会一同尽力してまいります。多くの会員の皆様からのご支援とご参加をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2021年10月
日本パーソナリティ心理学会